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第43回全国大会 彦根大会【報告】

開催日 2010年8月3日(火)~5日(木)の3日間
会場 かんぽの宿 彦根(滋賀県彦根市松原町3759)
 
記念講演 佐々木英一(追手門学院大学)
 題目「国際比較から日本の技術・職業教育を考える」


3日(火) 

①実技講座

(1)教材を作って遊ぼう
児島高徳(刈谷東高校) 定員各 7名 材料費 500円
 教室で実験などをして生徒とウキウキする授業をしていますか?生徒の笑顔を思い浮かべながら教材を一緒に作りませんか。機械・電気・情報などで2進数の原理や光の3原色などの教材やプリントを持ち帰って生徒と楽しんでください。

(2)韓国発!ハイブリッド自動車の教材製作と授業紹介
崔劉鉉,金東河(忠南大学校) 前半・後半とも定員10名 材料費2人1組で1000円
乾電池と太陽電池によって作動するハイブリッド自動車の教材を製作します。また,この教材を用いた動力伝達や減速比,光センサー回路の理解のための中学校段階の授業を紹介します。教材・授業レベルで国際交流をしましょう。

(3)つくって遊んで学べる教材―『子どものしあわせ』リレー連載より―
 斉藤武雄(慶應大学等教職課程非常勤講師) 吉田 喜一(都立産業技術高専) 材料費:100円
小学生から大学生までが夢中になる教材作りに挑戦します。技教研の常任委員会の吉田、平館、斉藤がコーディネーターとなって、月刊誌『子どものしあわせ』(草土文化)に4年間リレー連載した「親と子で作って遊ぼう」のいくつかを作ります。

(4)立体グリグリで3次元作図に挑戦 
川俣 純 (谷田部東中学校) 定員:10人以内
3次元で考え設計するその神髄を,短時間で体験しましょう!立体グリグリは自分で経験してはじめてその真価がわかります。さらに,そのデータでグリロボを動かしスチロール板を加工すれば,これからのものづくりの世界が見えてきます。

②理論講座

(5)「エネルギー変換に関する技術」の課題と方向性
有川 誠(福岡教育大学)
技術科の「エネルギー変換に関する技術」は,かつての「機械」「電気」領域の内容・方法に強い影響を受けつつ,新たなスタイルも指向されている。本講座では「普通教育としての技術教育」の観点からその課題と方向性を論議した。

(6)高等学校情報科の理論と実践
長嶋 秀幸(東京大学教育学部附属中等教育学校)   
これまで、私は高校情報科において、コンピュータやネットークの技術的な側面を重視した実践をおこなってきました。これまでの実践を紹介し、今後の情報科における技術教育のあり方を考えていきます。

(7)職人技の科学 -旋盤加工を事例として-
石田正治(豊橋工業高校)
工業技術基礎や実習、課題研究などでものづくりをするとき、機械加工で困ったことはありませんか。私の旋盤工としての体験をもとに、その技能を理論的に解き明かしてみましょう。講座では一流の技能を身につける勘どころを教えます。
 
(8)生物育成(栽培)の授業に取り組むために
大河内 信夫(千葉・千葉大学)
新しい中学校学習指導要領で必修となった栽培 に,戸惑いはありませんか?栽培の位置づけ(どのような視点で取り組むか)のちょっと理論的な部分を含めて,教具の紹介(時間があれば製作と実演),実験例, 題材などを紹介します。


 

4日(水)

A分科会 小学校・中学校の技術教育 井川大介、川俣純
テーマ「問題意識をもち、理念のない対応措置から脱却しよう」
子どもたちは、一人ひとりが成長や発達も違い、当然、学習の理解の早さや定着の度合いも異なり、地域によってそれぞれの特色があり、実態はさまざまです。また、地域の教材を掘り起こしたり、地域住民と連携した教育実践をすすめることは大切なことです。子どもや地域の状況をよく知っているのは、子どもの目の前にいて直に向き合いそこで生活している私たちなのです。しかし、カリキュラムの指導項目の対応措置に振り回されることによって、私たちの理念を伝えられないでいることはないでしょうか。理念が伝わってこそ、技術観が形成されるのではないでしょうか。教育現場の実態に基づいた自主編成によるとりくみの報告を通して、知恵と工夫を交流できればと考えております。
 
B分科会 小嶋晃一、竹谷尚人、高岩千尋
テーマ「教育実践を深めよう」
工業高校、高専、専門学校、職業訓練校等が抱いている課題の中から、次の4つの柱に沿って、実践報告をもとに研究討議を行います。1)高校再編の各地の問題点を探り、高校工業職業教育の将来展望を探る。2)単位数削減の下での工業の専門性の確保と、楽しくわかる授業づくりの実践交流。3)就職難に立ち向かう各地の取り組みと、労働観・職業観を育て進路を拓く実践の交流。4)高専、専門学校、職業訓練校など高校後の技術・職業教育の実践と課題の交流。この他にも、「普通高校における技術・職業教育」「教科『情報』の実践」など幅広くレポートを募集しています。


5日(木)

問題別分科会

C:技術史と教育 大橋公雄(依頼中)
技術教育における技術史の役割を考えながら、地域の技術史研究、それらの成果を活かした技術史の授業実践を検討します。

D:諸外国の技術・職業教育 横尾恒隆、木下 龍
諸外国の技術・職業教育は、どのように行われているのでしょうか。二カ国ほどの動向を、国内の課題を見据えつつ、国際的な視野で検討します。

E:子ども・青年の発達と技術・職業教育 平舘善明、齊藤武雄、直江貞夫
厳しい労働環境のなかで生きていく子ども・青年の健やかな発達を促す手だてを探るために、彼・彼女らの抱える発達諸課題や社会的諸問題を、技術・職業教育の観点から検討します。

F:技術教育の授業づくり 村松浩幸,児島高徳,佐藤和敏
一押し教材を持ち寄り,紹介・実演・議論を通して,技術教育の「わかる授業」「たのしい授業」の創造を目指す教材情報満載の分科会です。初参加や教材のない方も大歓迎!

G:障害児・者の技術教育 尾高進、岡田孝一郎
障害をもつ子ども・青年の技術・職業教育について、実践交流を交えて率直に交流しませんか。日ごろ障害児・者と関わっているかは関係なし。関心のある方はどなたでも大歓迎です。

地域の見学会

①西の湖での水郷めぐり(滋賀県蒲生郡安土町下豊浦4209-7)定員約20名
安土町で小学生に地域の自然の豊かさや、農業漁業の歴史を紹介している奥田修三さんに、実際にボートに乗りながら西の湖を案内していただきます。西の湖や琵琶湖とともに生きた地域の歴史を体験できる非常に貴重な機会です。

②西澤工務店(滋賀県彦根市鳥居本町1980-2)定員約20名
寺社仏閣建築で現代の名工に選ばれた、西澤政男さんが率いる西澤工務店の工場を見学します。滋賀県の多賀大社や日吉大社の建築・修繕などを手がけており、伝統の技術を間近に見学できる見学会です。
 


 

第42回全国大会 犬山大会案内【報告】

日時:2009年8月4日(火)~6日(木)
場所:犬山温泉白帝の湯・迎帆楼(げいはんろう)
〒484-0082 愛知県犬山市犬山字北古券41-6
TEL 0568-61-2205/FAX 0568-62-3822
URL http://www.geihanro.co.jp/index.html
主催:技術教育研究会/後援:愛知県教育委員会 


4日(火)

開会の全体会(13:00~16:00)
基調報告:技術教育研究会常任委員会

記念講演:現代日本における技術教育,職業教育の研究と運動―確信をもって展望を拓こう―
■佐々木享(名古屋大学名誉教授) 
 
実技・理論講座([前半]16:30~18:00,[後半]19:30~21:00)
 
【実技講座】
1.簡単!面白い!単面投影 ◎川瀬勝也(京都・同志社中学校)
等角図法や斜投影図法や透視図法などの単面投影も,「正投影図」の理論できちんと説明できます。授業で原理のところがうまく導入できれば,とても簡単で面白い!製図がぐっと楽しくなること請け合いです。奥義伝授! 
 
2.小刀を作ろう 定員各10人,材料費500円(予定) 鈴木善晴(愛知・名古屋大学教育学部附属中学・高等学校)
焼き入れまでされた刃の付いていない小刀を,荒砥石,中砥石,仕上げ砥石を使って研ぎ上げます。約1時間程度で作ることができます。 
 
3.つくってみよう!ポン菓子機 定員各10名,材料費3000円 石田正治(愛知・豊橋工業高校)
小型のポン菓子機を製作します!高校機械科の教材です。完成品は,原動機の授業や文化祭などのイベントで活躍します。参加希望者には設計図を事前に送り,できる範囲で部品を製作してきていただきます。 
 
4.オートマ君制御ボード製作-2CH用の基板を製作しよう 前後半連続,定員8名,材料費3000円 高岩千尋(東京・葛西工業高校)
オートマ君でパラレル接続の制御ができるリレー基板を製作します。これにより3輪車の制御(前進と右左折のみで後進は不可)ができます。万能基板のハンダづけができる方を対象。 
 
5.生物育成(栽培)の授業に取り組むために 大河内信夫(千葉・千葉大学)
新しい中学校学習指導要領で必修となった栽培に,戸惑いはありませんか? 栽培の位置づけ(どのような視点で取り組むか)のちょっと理論的な部分を含めて,教具の紹介(時間があれば製作と実演),実験例,題材などを紹介します。 
 
6.おもしろ教材で授業を楽しもう 前後半各5名,材料費500円 児島高徳(愛知・刈谷東高校定時制)
おもしろ教材で生徒と楽しみませんか。製図では「ブロックで立体図」のブロック作り,情報では「VBAでサイコロゲーム」を製作して機械は「ブーメラン」などを準備してお待ちしています。 

 
【理論講座】

7.技術・工業教育のカリキュラム開発論 大谷良光(青森・弘前大学)
今,「教え込み」から「学びあい」への授業の転換が求められています。「学び合い」の授業を創るカリキュラム開発の原則を事例を通して検討します。拙著新刊『子どもの生活概念の再構成を促すカリキュラム開発論』を踏まえて実施します。 
 
8.産業遺産の見方・調べ方 天野武弘(愛知・豊橋工業高校)
産業遺産は技術史教育の絶好のテーマとなる。自らが,また子供たちとの調査や見学も楽しみの一つとなる。注目され始めた産業遺産をどのように見るか,またその調べ方のポイントは何か。一緒に学びたいと思います。 
 
9.技術科の教育条件整備の調査結果と課題 本多満正(秋田・秋田大学)
コンピュータ制御や食糧生産など,新学習指導要領へ対応する教育条件整備が急がれます。講座では,昨年実施の技術科教育条件の調査結果を報告し,課題を考えます。技術科教員は教科消耗品費,備品費,学級数,生徒数の情報を持参下さい。 
 
10.諸外国における技術・職業教育の教員養成 田中喜美(東京・東京学芸大学)
この4年間,科研費基盤研究(A)として,米,韓,仏,独,瑞という異なる制度類型をもつ5カ国での技術・職業教育の教員養成を現地調査してきました。そこには日本とは全く異なる状況が展開されていました。これを紹介します。 
 
11.ノンキャリア教育としての「キャリア教育」 佐々木英一(大阪・追手門学院大学)
最近急にキャリア教育という言葉を耳にしませんか。しかしその中身はだれもイメージできません。この講座では,実際に現場で何が大切なことなのかを,新たに出版されたテキストに基づいて考えていきます。 
 
夜のつどい(21:00~)
「若手のつどい」,「教師・教師教育を語る」など,参加者が自主的に企画します。


5日(水)

内容別分科会(9:00~17:00)
 
A 小学校・中学校の技術教育  分科会世話人代表 井川大介・川俣純
分科会テーマ 問題意識をもち,子どもの側に立つカリキュラムを考える

子どもたちは,一人ひとりが成長や発達も違い,当然,学習の理解の早さや定着の度合いも異なり,地域によっても子どもたちの実態はさまざまです。また,各地域にはそれぞれの特色があり,地域の教材を掘り起こしたり,地域住民と連携した教育実践をすすめることは大切なことです。子どもの成長を支えるためには,このような子どもや地域の実態を理解していなければなりませんが,子どもや地域の状況をよく知ってい
るのは,子どもの目の前にいて直に向き合い,そこで生活している私たちなのです。新「学習指導要領」の完全実施に向かう今,教育現場の実態に基づいた自主編成によるとりくみの報告を通して,知恵と工夫を交流できればと考えております。 

B 高校・高専・高校後の技術・職業教育 分科会世話人代表 辰巳育男・小嶋晃一
分科会テーマ 教育実践を深めよう

本分科会では,工業高校,高専,専門学校,職業訓練校等の抱える問題の中から,①楽しくわかる授業づくりの実践交流,②高校再編の各地の状況と問題点,③労働観・職業観を育て進路を拓く実践,④高専,専門学校,職業訓練校など高校後の技術・職業教育の実践と課題の交流,の4つの柱で研究討議を行います。学習指導要領改定,普通高校における教科「技術」,教育条件整備など幅広くレポートを募集しています。激しい変化の波に置かれる教育界
の中で,子どもたちに普遍的な学びの喜びを与える「定番教材の再発見」を一つのテーマに据えたいと思っています。技教研が積み上げてきた実践を引き継いでいけるような懐の深い分科会を目指しています。 
 
交流会(18:00~19:30)
夕食を兼ねて参加者全員で交流を深めます。地域サークルやお国自慢など盛りだくさん。 

総会(19:30~21:00)
1年間の活動を総括し,次年度の活動方針を検討します。 


6日(木)

問題別分科会(9:00~11:00)
 
C 技術史と教育[石田正治・大河内信夫]
技術教育における技術史の役割を考えながら,地域の技術史研究,産業遺産の調査研究,それらの成果を活かした技術史の授業実践を検討します。 
 
D 諸外国の技術・職業教育[横尾恒隆]
諸外国の技術・職業教育は,どのように行われているのでしょうか。二カ国ほどの動向を,国内の課題を見据えつつ,国際的な視野で検討します。 
 
E 子ども・青年の発達と技術・職業教育[平舘善明・斉藤武雄・直江貞夫]
厳しい労働環境のなかで生きていく子ども・青年の健やかな発達を促す手だてを探るために,彼・彼女らの抱える発達諸課題や社会的諸問題を,技術・職業教育の視点から検討します。 
 
F 技術教育の授業づくり[川俣純・井川大介・村松浩幸]
子どもたちにとって「わかる授業」を行うためには,教材や教室設営,予算要求などの工夫が必要です。みなさんの取り組みを報告し合い,日頃の悩みを解決する方向性を論議します。 
 
G 障害児・者の技術・職業教育[阿部律彦・岡田孝一郎・尾高進]
障害をもつ子ども・青年の技術・職業教育について,実践交流を交えて率直に交流しませんか。日ごろ障害児・者と関わっているかは関係なし。関心のある方はどなたでも大歓迎です。 
 
閉会集会(11:00~12:00)
○内容別分科会の報告 ○大会総括 ○参加者からの感想 

地域の技術見学会
○オークマメモリアルギャラリー(愛知県丹羽郡)
+三菱重工・名古屋航空宇宙システム製作所史料室(愛知県西春日井郡) 先着20名程度
工作機械メーカーとして知られるオークマの歴史的工作機械を見学します。続いて名古屋航空宇宙システム製作所内史料室を見学,YS-11関係資料,零戦52型な
どの展示があります。バス移動(交通費別途徴収,自家用車での参加可)。 
 
○産業技術記念館(愛知県名古屋市)
同館は,繊維機械と自動車を中心とした産業技術史に関する博物館です。紡績工程および織布行程の歴史的機械,自動車生産のための歴史的工作機械などが,ほとん
ど動く状態で展示されています。電車移動。 


 

第41回全国大会 会津若松大会【報告】

日時:2008年8月5日(火)~8月7日(木)
場所:会津若松温泉「東山グランドホテル」
〒965-0814 福島県会津若松市東山町大字湯本字上湯本5番地
アクセス JR磐越西線・会津若松駅下車。
東山温泉行路線バス、終点・東山温泉バス停降車
(20~30分に1本運転、乗車時間約20分)


5日(火)

【基調報告】技術教育研究会常任委員会

【記念講演】子どものための学校って? 森田道雄氏

【実技・理論講座】

(1)児島高徳「作ろう・遊ぼう・楽しい教材」
あなたも生徒が笑顔になる授業をもっと増やしたいと思いませんか。私が情報や機械などの授業で生徒と楽しんだ教材を、あなたも生徒の笑顔を思い浮かべながら一緒に作りませんか。

(2)斉藤武雄「つくって遊んで学べる教材 ――『子どものしあわせ』リレー連載より――」
小学生から大学生までが夢中になる教材に挑戦します。ブーメラン、戻る紙飛行機、フライングリング、吹き上げバイプなどの定番以外に何が登場するでしょうか。乞うご期待!

(3)直江貞夫「畑がなくてもできるダイコン栽培 -食糧生産の視点からの環境問題-」
間違いなく収穫できるダイコンの袋栽培を紹介します。栽培学習は、具体的な作物栽培の方法と、食糧生産や地球環境の問題との両輪で進めるものと考えます。

(4)荻野和俊「おぉ、止まって見える!-超高輝度LEDでストロボを作ろう-」
安価に入手できるようになった超高輝度LEDを使ってストロボ回路を作ります。ハンダ付けの経験のある人なら完成させることができます。いろいろな応用を考えて下さい。 定員:各回5名、 材料費:2,000円

(5)川俣 純「ロボコンに学ぶ授業スタイル提案」
ロボコンがもたらした変革を的確にとらえ,これからの技術科の授業の在り方を考えます。脈々と人類が積み上げてきた知的財産に学び,真似ることを通してその価値に気づき,自分なりの改良を加えその営みに参画させる取り組みと,実現のための提案です。

(6)坂口謙一「新しい教育課程基準と技術・職業教育」
学習指導要領の全面改定等により新しい教育課程基準が出現しました。技術・職業教育にどのような影響が及ぶのか,迫り来る新基準への対応問題を考えます。

(7)長谷川雅康「工業高校卒業者の意識と教育内容(実験・実習)を調査して」
工業高校の専門教育が、一般社会での技術の仕事に如何に活かされてきたか。工業教育の有効性について、直接卒業者に聴く調査と工業教科の実習内容が学習指導要領の改訂毎に如何に変化してきたかの調査の双方の結果を基に、今後の工業高校の課題を考えたい。

(8)教育条件整備検討委員会「技術教育の教育条件整備」
技術教育のよりよい授業実践のためには,それを可能にする教育条件整備が必要です。本講座では,本検討委員会が昨年度実施した、技術科教育に関する予備調査の結果を報告し、私たちの課題を考えます。

(9)大谷良光「技術・工業教育の授業の方法」
技術教育の方法は教育内容に対応して多様であるべきなのに、中学校技術科は、問題解決学習、工業高校の座学は教え込みが中心である。実践記録に即して教育方法を考え、カリキュラム開発の手だてを検討する。

(10)堤製作所「鉄器文明を支えた会津の鍛冶」
(前半のみ)皆さんは鍬を使って土を耕したことはありますか。その土地によって鍬の形状が違っていることをご存じでしたか。野鍛冶職人としての仕事と鉄器文明について話をお聞きます。

(11)BITOWA(ビトワ)「会津塗りの新ブランド」(後半のみ)
400年の伝統に裏打ちされた会津塗りの確かな技術とデザイナーの研ぎ澄まされた感性との出会いにより生み出された会津塗りの新ブランド「BITOWA」について紹介します。


6日(水) 

【内容別分科会】
(1)A分科会:井川大介・木下龍
授業を振り返ったり,新たな授業に挑戦したりする機会を,日々の多忙さに奪われていませんか?本分科会では,小学校・中学校の技術教育に焦点をあてながら,全国各地で活躍する先生方の元気なレポートを持ち寄り,明日からの授業を切り拓く充実した議論を共有したいと考えています。レポートとしては,「生産と製図」,「材料と加工の技術」,「エネルギーの技術」,「制御と通信の技術」,「食糧生産の技術」という単元ごとの授業実践を中心に,それらを支える教育条件整備問題,さらには大学における教員養成の実践なども予定しています。当日持ち込みレポートも歓迎です。みなさんのご参加をお待ちしております。 

(2)B分科会:辰巳育男・小嶋晃一
学校のおかれる厳しい状況の中で、「楽しくわかる授業を行いたい」、「生徒たちの成長を実感したい」と思いながら、がんばっている先生方が全国にたくさんいます。そんな先生方を応援する分科会を作っていきたいと思います。本分科会では、工業高校、高専、専門学校、職業訓練校等の抱える問題の中から、①楽しくわかる授業づくりの実践交流、②高校再編の各地の状況と問題点、③労働観・職業観を育て進路を拓く実践、④高専、専門学校、職業訓練校など高校後の技術・職業教育の実践と課題の交流、の4つの柱で研究討議を行います。学習指導要領改定、普通高校における技術教育、教育条件整備など幅広くレポートを募集しています。 

【交流会】
夕食をかねて参加者全員で交流を深めます。地域サークルやお国自慢など盛りだくさん。

【総会】
1年間の活動を総括し、次年度活動方針を検討します。ふるってご参加下さい。


7日(木)

【問題別分科会】

(1)技術史と教育:大河内信夫・石田正治
技術教育のなかで技術史の役割を考えながら、地域の技術史研究、産業遺産の発掘などの調査・研究報告や技術史の授業実践を検討します。

(2)諸外国の技術・職業教育:横尾恒隆
諸外国の技術・職業教育はいかに行われているか。二カ国ほどの動向を、国内の課題を見据えつつ、国際的な視野で検討します。

(3)子ども・青年の発達と技術・職業教育:直江貞夫・平舘善明・斉藤武雄
厳しい労働環境のなかで生きる子ども・青年の健やかな発達を促す手だてを探るために、彼・彼女らの抱える発達諸課題や社会的諸問題を、技術・職業教育の視点から検討します。

(4)技術教育の授業づくり:川俣純・村松浩幸・井川大介
今年もやります教材交流!全国から教材を持ち寄り互いに交流します。これまでにない新しい発見が見つかるはずです。頭を柔軟にしてこれからの技術教育を考える時間にしましょう。

(5)障害児・者の技術・職業教育:尾高進・阿部律彦・岡田孝一郎
障害をもつ子ども・青年の技術・職業教育について、実践交流を交えつつ率直に交流しませんか。ひごろ障害児・者と関わっているかどうかは全く関係なし。関心のある方はどなたでも大歓迎です。

 

【地域の技術見学会】

(1)堤製作所:特許「姫鍬(ひめぐわ)」製造発売本舗。
鍬を作って80年。ステンレスの姫鍬。見学人数、20名以内。鍬と言っても使用する土地によっていろんな形状があることに驚かされます。ステンレス製の「姫鍬」を作っている製作所を見学します。ぜひご参加ください。

(2)ほしばん絵蝋燭店:元祖・会津絵蝋燭製造販売元。
説明を受けた後,絵蝋燭作りの体験も可。見学人数、20名以内。和蝋燭としての質の高さと絵付けにこだわった蝋燭作り。ハゼの実から絞った蝋を使い,水彩絵の具でツバキ・牡丹などの花を描く絵蝋燭作りを見学します。1260円で絵蝋燭作り体験も可能です。


 

第40回全国大会 春日部大会【報告】

日時:2007年8月6日(月)~8日(水)
場所:埼玉・春日部エミナース
春日部エミナース
〒344-0051 埼玉県春日部市内牧3701-1 Tel 048-763-8111 Fax 048-763-8116
(東武線春日部駅西口下車 春日部エミナース行きバスで約20分、タクシーで約15分)


6日(月)

開会の全体会(13:00~16:00)

記念講演:(日本の公教育のゆくえ)
藤田英典(国際基督教大学教授)
1943年石川県生まれ、教育社会学者
特別報告:全国大会40回の回顧と展望

実技・理論講座(前半16:30~18:00、後半19:30~21:00)

【実技編】
1.つくって遊ぼう1~ペットボトルロケット 吉田喜一(都立産業高専) 費用1000円
ペットボトルロケットを製作して飛ばします。500ミリリットルの炭酸飲料ペットボトル(5本)、カッター、定規、ビニールテープを持参してください。噴射口とポリエチレントップは用意いたします。

2.つくって遊ぼう2~子どものしあわせ「親子で遊ぼう」より 丸山剛史(宇都宮大学)
ブンブンごまや模様の変わる不思議なおもちゃなど、子どもかんたんにつくることができて、楽しく学べる工作を紹介します。持ち物は「好奇心」と「楽しむ気持ち」。気軽にご参加ください。

3.首振り蒸気エンジンをつくろう! 小嶋晃一(小金井工高) 定員 各7名 費用1000円
首振り蒸気エンジンは複雑なすべり弁機構がないので、比較的簡単に製作することができます。本講座では首振り蒸気エンジンを製作し、これを用いてミニSLを走らせます。

4.教材づくりの勘どころ-旋盤工の技-石田正治(豊橋工業高校)
3条ねじの加工方法、正確な偏心軸の加工、ねじの切り上げ、薄板の加工、仕上げバイトの研ぎ方など、旋盤加工を中心に、機械加工における職人の技を伝授します。

5.お手軽、簡単。技術科での知財実践 村松浩幸(三重大学)
技術科の授業における知的財産の位置づけの検討とともに、楽しみながら体験的に学ぶことができる知財の教材や実践を紹介します。参加者の皆さんにも手軽な協同実習を試していただき、知財という視点から従来の技術科の授業をとらえ直す議論ができればと思います。

6.二足歩行ロボット教材の紹介 植村千尋(双葉電子工業)
近年さまざまなロボットが教材として開発されています。本講座ではラジコン用部品のメーカーである双葉電子工業が開発したロボット用アクチュエータと制御ユニットについて、開発者による解説とそれらを用いた二足歩行ロボットの実演を行い、工業高校などでの教材としての可能性の探ります。

【理論編】
7.技術・職業教育の条件整備問題 教育条件整備プロジェクト
昨年末に新たな教育基本法が制定・公布され、教育条件の整備のための法的根拠や原則が大きく揺らいでいます。同時に、技術・職業教育の教育条件に、新たな重大な動きがいくつも発生し始めています。本講座ではこうした問題状況を共有し、私たちの課題を確かめ合います。

8.PITLA調査結果の意味するもの 田中喜美(東京学芸大学)
技教研が6年間取り組んできた技術的教養国際調査(PITLA(は、世界的に見ても類似の研究はありません。未開拓の分野に踏み込んだという意味で、この調査は、多くの課題を抱えつつも、興味深い事実を示唆しています。調査の終盤である現時点で、その意味を考えたいと思います。

9.東大附属中等教育学校「科学・技術科」の試みから見えてきたもの 本多満正(秋田大学)
2000年4月、東大附属では「技術・家庭科」の枠組みを廃止し、新たに理科と技術科からなる教科「科学・技術科」を新設しました。本講座では、6カ年の研究開発校における「科学・技術科」の取り組みと、研究開発校以降に新設した「情報・技術科」の構想について報告します。

10.ねじができるまで 浅井英夫(浅井製作所)
皆さんはねじがどのように作られているかをご存じでしょうか。私のこうばでは、小ねじ、タッピンネジ、精密機器用ねじ、ロボット用ねじなどを、主にヘッダー加工と転造で製作しています。本講座では、これらの実際のサンプルを見ながら、ねじの製造法を紹介します。


7日(火)

内容別分科会(9:00~17:00)
A.小学校・中学校の技術教育 代表世話人 鈴木善晴、木下龍
子どもと関われない日々の多忙さに、授業を振り返ったり、新たな授業へ挑戦する機会を奪われていませんか。本分科会では、小・中学校の技術教育に焦点をあてながら、全国で奮闘する先生方の元気なレポートをもちより、明日からの授業を切り拓く充実した議論を共有できればと考えています。レポートとしては、「生産と製図」「材料と加工の技術」「エネルギーの技術」「制御と通信の技術」「食糧生産の技術」といった単元ごとの授業実践を中心に、教育条件整備問題、大学における教員養成の実践、技術教育における知的財産学習などを予定しています。

B.高校・高専・高校後の技術・職業教育 代表世話人 小嶋晃一、辰巳育男
工業高校、高専、専門学校、職業訓練校等が抱えている課題の中から、次の4つの柱に沿って、実践報告をもとに研究討議を行います。1)高校再編の各地の状況と問題点を探り、高校工業教育の将来展望を探る。2)単位数削減の下での工業の専門性の確保と、楽しくわかる授業づくりの実践交流。3)就職難に立ち向かう各地の取り組みと、労働観・職業観を育て進路を拓く実践の交流。4)高専、専門学校、職業訓練校など高校後の技術・職業教育の実践と課題の交流。


交流会(18:00~19:30)
夕食をかねて参加者全員で交流を深めます。地域サークルやお国自慢など盛りだくさん。

総会(19:30~21:00)
1年間の活動を総括し、次年度の活動方針を検討します。


8日(水)

問題別分科会(9:00~11:00)

C.技術史と教育(大河内信夫・石田正治)
技術教育のなかで技術史の役割を考えながら、地域の技術史研究、産業遺産の発掘などの調査・研究報告や技術史の授業実践を検討します。

D.諸外国の技術・職業教育(横尾恒隆・吉留久晴)
諸外国の技術・職業教育はいかにに行われているのか。二ヵ国ほどの動向を、国内の課題を見据えつつ、国際的な視野で検討します。

E.子ども・青年の発達と技術・職業教育(直江貞夫・平舘善明・斉藤武雄)
子ども・青年の健やかな発達を促す手だてを探るために、彼らの抱える発達課題や社会的諸問題を、技術・職業教育の視点から検討します。

F.技術教育の授業づくり(川俣純・村松浩幸・井川大介)
今年もやります教材交流!昨年も電気、制御、もの作りと各種教材を紹介。皆さんの教材をお互い持ち寄って教材自慢大会で楽しみましょう。

G.障害児・者の技術・職業教育(尾高進・岡田孝一郎・阿部律彦)
障害をもつ子ども・青年の技術・職業教育について、実践交流を交えつつ率直に交流します。関心のある方はどなたでも大歓迎です。

閉会集会(11:00~12:00)
・内容別分科会の報告 ・大会総括 ・参加者の中からの感想

地域の技術見学会
・浅井製作所~ちいさいネジのちいさいネジや(埼玉県草加市谷塚上町449-7) 定員約15名
ヘッダー加工と転造でさまざまな種類の小ねじを製作している町工場を見学します。身近なねじですが、そのつくりかたを見る機会はなかなかありません。貴重な見学会
ですので、ぜひご参加ください。

・日本工業大学工業技術博物館(埼玉県南埼玉郡宮代町学園台4-1 日本工業大学内)
日本の産業発展に寄与した、明治初期からの歴史的な工作機械を動態保存・展示しています。我が国産業の発展に貢献した工作機械等、250台以上の機械を年代順に見学することができます。

・飯島桐箪笥製作所 定員約8名
春日部特産の桐箪笥の製作所を見学します。